吉本伊信(Yoshimoto,I)の内観療法(Naikan therapy)
ポイント
浄土真宗の「見調べ」を基礎としたもので、1週間集中的に集中内観をおこなうことを基本とする。
内観とは、自分の身の回りの人に対して自分が何をしたか、どういう態度をとったかを3つのテーマに沿って具体的な経験や情景を思い出しながら調べていく。3つのテーマとは、「迷惑をかけたこと」「してもらったこと」「して返したこと」(内観三法)である。
これにより自分や他者への理解・信頼が深まり、自己の存在価値・責任を自覚する事によって社会生活の改善につながると考えられる。
確認問題
[1]
内観療法について述べたもののうち、誤っているものはどれか。
1.創始者の吉本伊信は、宗教的修賛法を一般人にも広く適応できるものにした。
2.東洋的価値観が根底にあるため西欧人への適応は困難とされている。
3.特定のテーマに沿って自己を見つめるだけの自我の強さが求められる。
5.指導者はひたすら傾聴する態度が基本だが、内観を行う人は自分を検事のように厳しく調べる姿勢が求められる。
(目白大学大学院 心理学研究科 臨床心理学専攻)
[2]
下記の用語について簡単に説明しなさい。
・内観療法
(静岡大学大学院 人文社会科学研究科 臨床人間科学専攻)
解答
[1]
2
[2]
内観療法とは、古本伊信によって創始された心理療法で、浄土真宗の「見調べ」をベースにしたものである。母、父、きょうだいなど、自分の身近な人(時には自分の身体の一部)に対しての今までの関わりを、「迷感をかけたこと」「してもらったこと」「して返したこと」の3つのテーマ(内観三法)にそって繰り返し思い出す。これにより自分や他者への理解・信頼が深まり、自己の存在価値・責任を自覚する事によって社会生活の改善につながると考えられる。