感覚記憶(sensory memory)
ポイント
感覚記憶
感覚記憶とは、目や耳などの感覚受容器に与えられた情報が提示されたそのままの状態で保たれている記憶のことを指す。未処理の状態であるため容量が非常に大きく、保持時間は1秒以内と非常に短い。この感覚記憶のうち、必要な情報のみに注意が向けられ、その情報が意味処理されることで(記銘·符号化)、短期記憶へと移行する。 なお、感覚記憶は五感に代表されるすべての感覚に存在するが、その中でも視覚情報に関するアイコニックメモリーと聴覚情報に関するエコーイックメモリーの研究がとくに盛んである。
アイコニックメモリー(Iconic memory)
感覚記憶は五感に代表される全ての感覚に存在するが、その中でも視覚情報に関するものをアイコニック・メモリーと呼ぶ。スパーリングは視覚的な情報がある種の保存系に入力されるものとし、これを視覚的情報貯蔵と呼び、視覚における感覚記憶の存在を示唆し、ナイサーはこれをアイコニックメモリーと呼んだ。
スパーリングは被験者があとで報告できるよりも多くの情報量を持っているのは、視覚的な情報がある種の保存系に入力されるためだからとし、視覚における感覚記憶の存在を示唆した。ナイサー(1967)はこの機構をアイコニック・メモリーと呼んでいる。
保存していたはずの情報が、口に出して報告している間にも次々と失われていくことから、アイコニック·メモリーの持続時間はそれほど長くはないことが予想される。スパーリングは、文字列を呈示してから音信号を出すまでの時間をさまざまに変えることによって、情報が衰退していく様子を観察した。その結果、音信号までの時間間隔が長くなるにつれて報告できる文字数は減少していき、約1秒で平均正当数は全体報告の場合と同程度になった。 このことからアイコニック·メモリーは、容量は大きいが持続時間は非常に短いことがわかる。
スパーリング(sperling,G.)の部分報告法(partial-report method)
感覚記憶とは、目や耳などの感覚受容器に与えられた情報が提示されたそのままの状態で保たれている記憶のことを指す。未処理の状態であるため容量が非常に大きく、保持時間は1秒以内と非常に短い。この感覚記憶のうち、必要な情報のみに注意が向けられ、その情報が意味処理されることで(記銘·符号化)、短期記憶へと移行する。 なお、感覚記憶は五感に代表されるすべての感覚に存在するが、その中でも視覚情報に関するアイコニックメモリーと聴覚情報に関するエコーイックメモリーの研究がとくに盛んである。スパークリングは感覚記憶の容量調べるために部分報告法を用いた。画面の上中下の三段それぞれに高音中音低音を割り当てる。被験者に画面を提示した後に、3つのうちのどれか一つの音をランダムに提示して、提示された音に対応する段の単語を思い出してもらうという方法。部分報告法の場合被験者は76%の正答率であった。よって人は一瞬であればほとんどの情報を覚えていることが明らかにされた。
確認問題
[1]
スパーリング(sperling,G.)の部分報告法(partial-report method)とこれによって明らかにされたことについて述べなさい。
(筑波大学大学院 人間総合科学研究科 心理専攻 心理臨床コース)
解答
[1]
スパーリングは感覚記憶の容量調べるために部分報告法を用いた。画面の上中下の三段それぞれに高音中音低音を割り当てる。被験者に画面を提示した後に、3つのうちのどれか一つの音をランダムに提示して、提示された音に対応する段の単語を思い出してもらうという方法。部分報告法の場合被験者は76%の正答率であった。よって、感覚記憶は1秒以内であれば、ほぼ全て保持されている。
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